ゴロフキン戦後の村田諒太について、米記者たちの見解は2分。「最善の引き際」「現役続行ならすぐにタイトル戦」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 今後、現役を続けるとしても、36歳になった村田にゴロフキン戦以上の舞台が巡ってくることは想像しがたい。五輪金メダリスト&プロの世界王者という勲章を手土産に、第2の人生に足を踏み出すのもいいのだろう。

 一方で、村田が現役続行を望んだ場合も、存在感を誇示するチャンスがないわけではない。

 今回の統一戦はDAZNを通じてアメリカでも放送され、ゴロフキンが勝てば宿敵サウル・"カネロ"・アルバレス(メキシコ)との第3戦が内定と伝えられたこともあって、アメリカ国内でも話題のイベントになった。アメリカ西海岸では朝5時頃の開始だったため、ライブ視聴者は多くはなかったかもしれないが、オンデマンドも合わせれば世界中でものすごい数のファンが試合を見たはずで、村田が知名度を上げたことは間違いない。

「村田はこれまでのどの勝利よりも、今回の負けで評価を高めたと言えるかもしれない。今ならアメリカでも、村田の次戦に興味を持つファンは少なくないだろう。たとえばハイメ・ムンギア(メキシコ)であるとか、一線級からひとつ下のレベルのミドル級選手と対戦させたら面白いかもしれない」

 アイデック記者はそう述べ、戦うべき相手の名前も出してくれた。実際に村田が現役続行を選択し、アメリカのリングでの試合を望んだ場合、元WBO世界スーパーウェルター級王者のムンギアは興味深い相手ではある。

 25歳のメキシカンは36戦全勝(29KO)。見事な戦績を持ちながら、ミドル級での世界挑戦はなかなか実現しない。すでにWBC、WBOのランキング1位まで上がったが、プロモーターのゴールデンボーイ・プロモーションズがその真価に疑問を抱いているからだ、という見方もある。

 このムンギアは、過去に村田の対戦相手候補に挙がったこともある。ファイトスタイル的にも噛み合いそうで、「最善の引き際」と話していたバートン記者も「村田が勝つチャンスが十分あるんじゃないか」と述べた。母国を中心に確固たるファンベースも持つムンギアが相手なら、開催地はアメリカが濃厚。本場で再び注目ファイトをやろうと思えば最適の選手だと言える。

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