村田諒太がゴロフキンを追い詰めるためには? 7人の米識者が有効な攻め方を分析した (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

Q1 世間では「ゴロフキン優位」の声が多いが、村田が接戦に持ち込むためにやるべきことは?

クーニー 多くの人の見方とは違うかもしれないが、村田は距離を取って戦うべきだと私は考えている。ゴロフキンと正面からまともに打ち合ったら厳しい。カネロとの第2戦以降のゴロフキンは、リング上で相手を追い詰める能力に陰りが見られ、ボディを打たなくなっている。村田は適度な距離を取り、離れた場所から持ち前のパンチを生かす展開になれば、GGG(ゴロフキンの愛称)相手にも勝機は見えてくるかもしれない。

ドノバン ミドル級、全階級を通じても、村田はゴロフキンと同等の「アゴの強さ」を持つ数少ない選手かもしれない。村田は自分の打たれ強さを信じ、ゴロフキンを運動量で凌駕しなければならない。十分なパワーを持ち、サイズ的にも上回っている。ふたりともブランク明けだが、ゴロフキンは40歳になって衰えの兆候を見せている。村田は積極的に攻め、ゴロフキンがリング上で快適でいられないようにする必要があるだろう。

キム やはりゴロフキンが優位で、村田が勝とうとするなら"若手選手のように"戦う必要がある。早いペースで手数を出し、ゴロフキンを守備的にさせたいところだ。ゴロフキンはジャブを得意としているだけに、村田がアウトボクシングすることは考えにくい。とにかく前に出てプレッシャーをかけ、ゴロフキンを下がらせることができればチャンスは見えてくるかもしれない。

ビレガス 村田は、カネロがゴロフキンとの2戦目で用いた戦術を取り入れるべきだ。前に出て、GGGを下がらせ、力を込めてパンチを出す体勢が整わないようにする。その戦い方を有効化するには、一定以上のパワーが不可欠だが、村田がそれを持っているかはわからない。試合中にそれを証明する必要がある。距離を取ろうとした場合、ゴロフキンの狙いすました強打を浴びる可能性があり、有効な戦法とは思わない。

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