K-1野杁正明は「格闘技は趣味」だからこそ強い。武尊vs那須川天心が予定の大会には「同じ舞台で試合を」 (4ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

【格闘技を通して「人として成長したい」】

――野杁選手が思う「強さ」とはなんですか?

「格闘技で強い人はいくらでもいますが、僕は格闘技を通じて『人として成長したい』と思っています。格闘技は仕事でもありますけど、あくまで"趣味"という感覚ですね。格闘技は自己満足の世界じゃないですか。自分が好きでやっていて、試合に勝ってみんなが喜んでいる姿を見て、満足する。根を詰めるまでやってしまうと、伸びる部分も伸びないと思います。うまく割りきれていることが、自分の強さのひとつなのかもしれません」

――そう割りきるなかで、モチベーションをどう保っているんですか?

「昨日より今日の練習のほうが『成長している』と感じることですね。たとえば、僕の打撃を受けているトレーナーさんが苦しむ回数が1回でも増えたら、それも喜びになります」

――今年6月には、同門の武尊選手と、那須川天心選手が対戦するビッグイベントがあります。その大会への思いは?

「出たいですね。2人の試合を見たいですし、やはり格闘家としては同じ舞台で試合をしたいです。外国人選手を呼べない状況が続けば日本人選手との対戦になるでしょうが、
『SHOOT BOXING』の海人選手はずっと対戦をアピールしてくれたので、彼との対戦でも面白いですね」

 かつて泣き虫だった少年は、誰もが認めるK-1の絶対王者になった。それでもなお、「まだ伸びる部分はある」とさらなる高みを目指す。今年はどんな怪物っぷりを見せてくれるのか。野杁のこれからが楽しみでならない。

■野杁正明(のいり・まさあき)
1993年5月11日生まれ、愛知県出身。身長175cm。小学2年から空手を始め、中学2年でキックボクシングに転向。高校1年でK-1甲子園2009を制し、翌年にプロデビューを果たす。プロでの戦績は46勝10敗22KO だが、特に2016年8月以降は17勝1敗と勝利数が大幅に増えた。2017年6月にスーパー・ライト級を制し、2021年9月に2階級制覇となるウェルター級王者になって同年のMVPに選出された。
公式Twitter>> @noirimasaaki_k1 公式Instagram>> nm_k1
(取材協力:「K-1ジム相模大野KREST」)

■2021年MVP・野杁選手が登場!
「K'FESTA.5」
4月3日(日)@国立代々木競技場第一体育館
詳細は公式 HP へ>>

K-1公式Twitter>> @k1wgp_pr K-1公式Instagram>> k1wgp_pr

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