2022.02.18

K-1野杁正明は「格闘技は趣味」だからこそ強い。武尊vs那須川天心が予定の大会には「同じ舞台で試合を」

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

K-1の"怪物"
野杁正明 インタビュー 後編

(前編:K-1の「怪物」が振り返る進化の過程>>)

 魔裟斗の現役ラストマッチが行なわれた、2009年12月31日、『Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~』(さいたまスーパーアリーナ)。そのリングに野杁は立っていた。『K-1甲子園2009』の準決勝で、前年度王者のHIROYA、決勝で嶋田翔太に勝利して優勝。K-1中量級をけん引した魔裟斗が競技人生に幕を下ろし、K-1の未来を担う16歳の"怪物伝説"の幕が開いた。

 そこから数ある強敵を退け、2017年にスーパー・ライト級の王者となり、昨年はウェルター級を制して2階級制覇を達成。2021年度のMVPを獲得した。MVPとしての初陣は、4月3日に行なわれる「K'FESTA.5」での加藤虎於奈(かとう・こおな)とのスーパーファイト。そして、武尊と那須川天心が対戦する6月のビッグイベントへ。最強王者の伝説はまだまだ終わらない。

現ウェルター級王者、昨年度のK-1のMVPにも選ばれた野杁現ウェルター級王者、昨年度のK-1のMVPにも選ばれた野杁 この記事に関連する写真を見る

【K-1甲子園優勝で「この道でやっていく」】

――野杁選手の出身地は愛知県・名古屋。格闘技で活躍している選手が多いですね。

「僕が育ったところは"ヤンチャ"な街でした。僕らくらいの世代から落ち着いてきましたけど、K-1甲子園で優勝してからは、ヤンキーに声をかけられることが結構ありましたよ。『お前、本当に強いのかよ』といった感じで(笑)」

――今では"怪物"と呼ばれる選手になりましたが、そのキャッチフレーズについてはどう思っていますか?

「"化け物"ってことですから最初は嫌でしたよ(笑)。最近は慣れたというか、何とも思ってないですね。ただ、ド派手なKOとか、みんなが引いてしまうような圧倒的なKOで勝った時に『やっぱり怪物だった』と結論づけられることには、『それはそうなるか』とちょっと納得してます」

――小学生の頃は空手をやっていて、中学2年でキックに転向。当時、プロ格闘家になるというビジョンはあったんですか?

「中学1年の時(2007年2月)に、K-1のトライアウトを受けさせてもらって、そこで僕と小川翔、日下部竜也、秋元皓貴の4人が、まだプロにはなれないけど"特別合格"になったんです。その時に、『将来、この道でやっていきたい』という気持ちになりました」