藤波辰爾と激闘した外国人レスラー。大流血したチャボ戦とキッドの強力ヘッドバットを語る
藤波辰爾デビュー50周年
ドラゴンが語る名レスラーたち(7)チャボ・ゲレロ、ダイナマイト・キッド
第6回:ジャンボ鶴田からの突然の電話>>
今年の5月9日にデビュー50周年を迎え、現在も自らが主宰する「ドラディション」を中心にメインイベンターとして戦い続ける藤波辰爾。プロレス人生で忘れ得ぬレスラーたちとの秘話を明かす連載の第7回は、ジュニアヘビー級時代に激戦を重ねたふたりの外国人レスラーを振り返る。
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ジニアヘビー級時代に藤波と名勝負を演じた、チャボ・ゲレロ(左)とダイナマイト・キッド(右) 藤波は、1978年1月23日にニューヨークでWWWF世界ジュニアヘビー級王座を奪取してから、一度は剛竜馬に敗れて陥落したものの、ヘビー級に転向して王座を返上するまで通算で52度の防衛を重ねた。その防衛戦の中で、壮絶な試合のひとつとしてファンが記憶しているのは、1978年10月20日、大阪・寝屋川市民体育館で行なわれたチャボ・ゲレロ(・シニア)戦だろう。
チャボは、やはりプロレスラーの父、ゴリー・ゲレロの薫陶を受けて1970年秋に21歳でデビュー。以後、ロサンゼルス地区を主戦場にスター選手として活躍した。
「チャボは父親、弟のヘクターとエディもレスラーというプロレス一家で育ったので、"プロレスの申し子"といった感じでした。父親の教えを継ぐ誇り高いレスラーで、試合運びもうまい選手でしたね」
藤波が初めてチャボと会ったのもロサンゼルスだった。
「僕がニューヨークでベルトを取る前の、ロスのグランド・オリンピック・オーディトリアムだったと思います。現地はゲレロ一家の人気がすごくて、"ゲレロ帝国"とも言ってもいいくらい。その後、チャボとはタッグを組んで試合をすることが多かったけど、対戦相手としては激しい試合をたくさんしましたね」
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