井上尚弥の統一戦は夏開催か。大橋会長が語る現状「本物は生き残る」 (6ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

 たとえばリゴンドーも苦手なタイプではないし、尚弥のスピードについてこられるとは思えません。唯一、『嫌な相手だな』と考えていたのは井岡一翔ですね。非常に技術が高いボクサーで、尚弥でもポイントを獲られる可能性があると見ていた。ともあれ、WBSS決勝の(ノニト・)ドネア戦がそうであったように、尚弥は"魅せる"ことができるボクサーです。主戦場をアメリカに移していくなかで、尚弥の強さを引き出せる相手とやりたい、というのはあります」

――最後に今後のボクシング界の展望を聞かせてください。

「あるジムの会長が、『今後は本物しか残れない時代になり、淘汰が進んでいくだろう』と話していて、その点に関しては私も同じ考えです。WBSSでの尚弥の活躍がキッカケで、ボクシングに興味がなかった層も、競技の魅力に気づいてくれた方が多くいるんですよ。ボクシングの原点である"強さ"に引き寄せられる人がたくさんいることも、あの祭典で確認できました。しばらく興行の数は減るでしょうし、資金繰りに苦しむジムがほとんどでしょう。ボクシング界は厳しい状況が続くと予測されますが、それでも"本物"は生き残っていくと思いますね」

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