「桜庭和志って誰?」から一躍人気者へ。PRIDEはそのキャラを売りにした (5ページ目)

  • 佐瀬順一●取材・文 text by Sase Jun-ichi
  • 長尾迪●撮影 photo by Nagao Susumu


 そう、グレイシーだ。

「2回戦および準決勝は1ラウンド15分の無制限ラウンド」
「決勝戦は1ラウンド20分の無制限ラウンド」
「判定決着はなし」
「試合はホイス本人がタップするか、セコンドがタオルを投げた場合のみストップ。つまりレフェリーストップはなし」

 グレイシー陣営が突然、上記の「特別ルールをホイスの試合にかぎり採用しろ。採用しないのならホイスはGP出場をキャンセルする」と言い出したのだ。

 このホイス陣営の一方的な愚行に、桜庭は明らかに苛ついた。

『PRIDE GP 2000』はただでさえヘビー級もミドル級もごちゃ混ぜのトーナメントだ。すでに「15分1本勝負の判定ありルールでやりましょう」と決まって、それで1回戦も終わっているのに、なぜ今さらそんなことを言い出すのか。

それでも、桜庭は「だったら1週間戦ってやる」と言い返して無制限ラウンドを了承。「6日間痛めつけて、7日目で倒す」と宣言した桜庭は、オムツをしながら試合をすると言い放ち、ホイス陣営を挑発した。

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