井上尚弥に不敵な挑戦状。キューバのベテランが「怪物狩り」を宣言 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

「井上との対戦も期待されているが?」「井上の印象は?」「昨年11月の井上vsノニト・ドネア(フィリピン)戦をどう思ったか?」「井上がボブ・アラム率いるトップランク社と契約したことが、対戦交渉を難しくすると思うか?」

 この一件は、本格的な米国進出が決まった井上への現地メディアの興味の大きさを示している。同時に、どこかミステリアスな魅力を持つキューバの達人、リゴンドーへのリスペクトを物語っているとも言えるかもしれない。

 稀有な技術を持ちながら、試合が単調になりがち。そんな特徴ゆえに毀誉褒貶(きよほうへん)の激しいリゴンドーだが、独特のカリスマ性に惹かれているメディアはアメリカにも少なくない。

 井上の米国内での評価の高さは周知のとおりだが、39歳にしてハイレベルのスキルを保ったリゴンドーなら、モンスターを苦しめるかもしれない。タイプの違う新旧王者の対決を見てみたい。ソリス戦後の会見での混乱からは、米メディアのそんな昂りが感じられた。

 もっとも、井上vsリゴンドーの早期実現の可能性は高くない。井上は4月25日、ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターでWBO王者ジョン・リエル・カシメロ(フィリピン)との統一戦を控えている。この試合をクリアして3団体統一を果たせば、その後はWBC王者との最終統一戦を目指すか、IBFから義務付けられている指名戦をこなさねばならない。

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