2019.11.21

20歳の須崎優衣に奇跡のチャンス到来。
女子レスリング最軽量級が面白い

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 11月16日・17日、千葉県成田市で女子レスリング・ワールドカップが開催された。今回18度目となる国別対抗団体戦で、日本は大会5連覇、11回目の優勝を達成。東京オリンピックを9カ月後に控え、あらためて「世界最強ニッポン」を国内外にアピールした。

 大会後、笹山秀雄女子強化委員長は「オリンピックでは全階級で金メダルをとるつもりでいる」と豪語。しかし、階級ごとに見れば、明暗の分かれる結果になったと言えるだろう。

今年8月の世界ジュニア選手権でも圧倒的な強さで優勝した須崎優衣 今回出場したなかで唯一のオリンピック経験者であり、キャプテンとしてチームを牽引した57キロ級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)は、世界選手権3連覇の実力を存分に発揮。姉妹同時オリンピック出場の夢を叶えた妹の62キロ級・友香子(至学館大)も今大会で成長ぶりを実証してみせた。

 だが一方で、東京オリンピック代表内定の53キロ級・向田真優(至学館大)、リオデジャネイロオリンピック金メダリストの68キロ級・土性沙羅(東新住建)は、体調不良や調整不足などを理由に欠場。また、北京オリンピックの浜口京子(ジャパンビバレッジ)以来となる重量級メダル獲得が期待される76キロ級・皆川博恵(クリナップ)は、準決勝の中国戦、決勝のアメリカ戦でまったく歯が立たなかった。

 そんななか、今大会で最も躍動感あふれる戦いを見せてくれたのは、今年6月で20歳になった50キロ級・須崎優衣(早稲田大)だ。

 須崎はリオデジャネイロオリンピックの翌年、伊調馨(ALSOK)以来となる高校生18歳で世界チャンピオンとなった。2018年も世界選手権を連覇し、東京オリンピックの”新星”として名乗りを上げた。

 同年12月に行なわれた全日本選手権の直前、3階級も上の選手とのスパーリングでひじのじん帯を損傷する。だが、今年6月の全日本選抜選手権で復帰すると、1回戦で全日本チャンピオンの入江ゆき(自衛隊体育学校)を破り、決勝でもリオデジャネイロオリンピック金メダリストの登坂絵莉(東新住建)にテクニカルフォール勝ち。東京オリンピック出場の夢を、グッと手もとに引き寄せた。