ファンの夢「ゴロフキンvs村田諒太」は
実現するかを検証してみた (4ページ目)
ともあれ、冬以降のゴロフキン戦を目指す村田としては、上位の2人の動向がはっきりするまでに、まずは今夏から秋に予定されているラスベガスでの防衛戦で存在感と商品価値をアピールしておくことが優先課題となる。
「村田はまず10月のアメリカでの次の試合をこなすのが一番。ゴロフキン戦はその後だから2月か3月くらいを目標にするが、こちらの都合だけでは叶わない。(ゴロフキンとカネロが)9月に誰とやるかで話は全然違ってくるだろう」
帝拳の本田会長は、トップランク社のアラムがぶち上げた"大晦日"ではなく、来春までの挙行を目指すという見通しを述べていた。この指摘通り、シナリオ通りに事が運ぶとは限らない。
ゴロフキンやカネロに挑み、ビッグマネーと名誉を手に入れようとしているボクサーは多い。9月に予定される両者の試合をきっかけに、壮大な椅子取りゲームが始まろうとしているのだ。
具体的な話をすると、ゴロフキンがこれまで目標にしてきた4団体統一にこだわるならば、村田がそこに割り込むのは難しくなる。3団体統一王者のゴロフキンには、すでにIBFから指名挑戦者との対戦指令が出ており、8月3日が一応の期限になっている。この日程は難しいとしても、タイトルを保持したいなら遠くないうちにデレビャンチェンコ戦を組まねばなるまい。
その他、チャーロ(WBC)、ジェイコブス(WBA)といった各団体の指名戦をこなしながら、WBO王者サンダースとの4団体統一戦の機会を模索する。そんなハードスケジュールの合間に、36歳になったゴロフキンが村田戦を挟むのは至難の業だ。
しかし、ゴロフキンが"ハイリスク・ローリターン"でしかないデレビャンチェンコ戦を避け、4団体統一を断念した場合には話が違ってくる。そうなれば、タイトルにこだわって指名戦に縛られる必要はなくなる。その時にはカネロとの再戦、イギリスでのサンダース戦、日本での村田戦といったビッグイベントを追い求め、キャリア終盤に多くのファイトマネーを稼ぐことになるだろう。
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