【国際プロレス伝】ネッカチーフ姿のマイティ井上はアンドレと仲良し (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

 フランスにも長くいましたから。50年前のフランスでしょ。まだまだ日本からは限られた人しか行けないような国でしたので、そこでファッションセンスも磨いてきたんですね。

 井上さんはすべてにおいて『プロフェッショナル』になられたということでしょう。常に目立つように、名前が売れるようにインパクトを考えて。それもすべてプロとしての演出です。リング上はもちろん、普段からの所作も違っていました。

 フランスと言えば、井上さんはモンスター・ロシモフ――のちのアンドレ・ザ・ジャイアントとも仲がよかったですよ。若かりしころ、同じ志(こころざし)を持ってフランス各地を転戦したのでしょう。日本でもとってもフレンドリーで、ロシモフから『ミッキー』なんて呼ばれていました。ヨーロッパでのリングネームが『ミッキー・イノウエ』だったから。ミッキーマウスみたいにカワイイ顔をしていたからでしょうか。

 また、井上さんは英語が堪能で、外国人レスラーの面倒もよく見ていました。ロシモフは英語が話せず、フランス語オンリー。それでも井上さんは『アイツの言っていることは、なぜか全部わかるんだよ。フランス語なんてあんまりわかんないのにさ』と笑っていましたね」

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