【国際プロレス伝】「猪木、馬場より実力は上」と鉄人ルー・テーズも認めた (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Nikkan sports/AFLO

「でも、オックス・ベーカーに足を折られてからは、走り込みができなくなってしまって。あれがなければ、猪木さん以上になっていたかもしれませんね」

 力道山をはじめ、ジャイアント馬場、アントニオ猪木と名勝負を繰り広げ、国際プロレスのマットでも活躍した"鉄人"ルー・テーズは「ジャイアント馬場、アントニオ猪木、ラッシャー木村の3人のなかで一番強いのは誰か?」と訊ねられると、「もちろん、木村だ。アイツは相撲とレスリングをマスターしているから」と答えている

 また、酒豪ぞろいの国際プロレスにあって、酒を呑んでもラッシャー木村はエースだった。

「酒も強かったですね。ウイスキーのボトルを2~3本なんて、当たり前でしたから。でも、僕とは違って、どんなに呑んでも乱れない。静かにおとなしく、旨そうに呑んでいる。だから、女性にモテましたよ。僕なんか、女性がいても大騒ぎしちゃうからダメですけど。

 木村さんは歌もうまくてね。みなさん、想像できないでしょ。ガラガラのダミ声しか覚えてないから。あれは、モントリオールオリンピックの柔道アメリカ代表で銅メダルを獲得しているバッドニュース・アレンにラリアットを喰らって、ノドが潰れちゃったんです。森繁久彌さんの『銀座の雀』、もともとは吉原功(よしはら・いさお)社長が歌っていたんですけど、吉原社長が亡くなられてからは木村さんがよく歌っていました。大月みやこさんの歌も好きだったなぁ。節回しがうまかったですよ。

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