【ボクシング】間違いなくホンモノ。井上尚弥は辰吉を超える!?
日本ランキング1位の佐野友樹(右)にまったくボクシングをさせず完勝した井上直弥(左) 4月16日の夜、テレビの番組表を見ずにザッピングしながらフジテレビにチャンネルを合わせた視聴者は、ビックリしたことだろう。19時~21時のゴールデンタイムにボクシングの試合を放送することは珍しくないが、そのほとんどは世界戦だ。ところがこの日は、プロ2戦の経験しかない「20歳のルーキー」の試合が放送されていたのである。
ボクサーの名は、井上尚弥(大橋ジム)。まだまだ先物買いの感はあるものの、この男の将来性は極めて高く評価されている。
井上は小学生のときに父親の影響でボクシングを始め、アマチュアでは81戦75勝(48KO、RSC)6敗という見事な戦績を残している。特筆すべきは、高校3年間で獲得可能なタイトルの多くを手にしたことであろう。インターハイや国体の優勝はもちろんのこと、高校3年生のときには社会人や大学生を抑え、全日本選手権も制している。また、インドネシアで開催された国際大会プレジデントカップでも、井上は優勝を収めた。
トレーナーを務める父親の真吾氏とともに大橋ジムからライトフライ級でプロデビューしたのは、まだ半年前、昨年10月のことである。初陣は異例の8回戦(従来は4回戦)だったが、東洋太平洋ランカーを4ラウンドで撃沈。今年2月のプロ2戦目は左フック一発で1ラウンドKO勝ちと、期待に沿ったスタートを切った。
今回は、2年前に国内タイトルに挑戦したこともある日本ランキング1位の佐野友樹(松田ジム)が相手。しかし井上は、まったく問題にしなかった。2ラウンドと4ラウンドにダウンを奪ったすえ、最終10ラウンドでレフェリーストップ。3戦全KO勝ちのスーパールーキーは、試合後、次の目標を「日本タイトルに挑戦したい」と語ったが、これは通過点としての指標にすぎない。
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