福西崇史と坪井慶介がeスポーツサッカーで対戦。劇的な幕切れで勝敗が決定

  • text by Sportiva
  • photo by VPG JAPAN、東京ポートシティ竹芝ポートホール

後夜祭に出演した(左から)たいぽん氏、坪井慶介氏、福西崇史氏、ブラゴーリの2人後夜祭に出演した(左から)たいぽん氏、坪井慶介氏、福西崇史氏、ブラゴーリの2人
 この夏に開催されたVPG JAPAN主催のサッカーゲーム「FIFA」の全国大会「全日本ESPORTSサッカー地域対抗大会 ~新たな輪を、大きな輪へ」の後夜祭が、10月10日にオンラインで開催された。

 スタジオとなった「東京ポートシティ竹芝ポートホール」には、ゲストに元サッカー日本代表の福西崇史氏と坪井慶介氏が登壇。さらにお笑い芸人のブラゴーリ(塚田裕輝氏、鈴木大介氏)も参加し、白熱の決勝大会を振り返るとともに、オールスターズ戦を開催した。

■後夜祭の模様はこちら>>

 1人が1プレーヤーを操作して11対11で対戦するこのオールスターズ戦は、「全日本ESPORTSサッカー地域対抗大会」に出場したチームの選手から選抜した実力者と、ゲストが参加。「チーム福西」と「チーム坪井」の2つのチームに分けてエキシビジョンマッチを楽しんだ。

 チーム福西には福西氏とブラゴーリ鈴木氏、チーム坪井には坪井氏とブラゴーリ塚田氏が入って、3試合を行なって勝敗を決めるルール。ちなみに福西氏はボランチ、坪井氏はセンターバックと、現役時代と同じポジションに入った。

 第1戦は序盤からチーム福西が安定したパスワークと積極的な前への仕掛けで試合の主導権を握る。後半に入ってさらに勢いを増すチーム福西が53分に先制点を挙げると、85分には相手GKブラゴーリ塚田氏のキックミスを見逃さず加点。チーム福西が2-0で快勝した。

 FIFA初心者で初めてGKを扱ったという塚田氏は「すみません」と一言。GKのキックがループパスになったことに対して、坪井氏は「ゴールキックが最も大きなピンチだった」と笑いながら敗因を語った。


第1戦 チーム福西 2-0 チーム坪井第1戦 チーム福西 2-0 チーム坪井
 第2戦ではブラゴーリの2人に代わって、それぞれのチームに強い味方が参戦。チーム福西にはFIFAプロプレーヤーのウェブ・ナスリ氏、チーム坪井にはFIFA界のパイオニア的存在でEA公認FUTUNITED日本代表キャプテンのたいぽん氏が入って試合が行なわれた。

 序盤は一進一退を繰り広げるも、徐々にチーム坪井がボールを回し、16分に先制点を挙げると、そこから立て続けにゴールを奪い、前半だけで3点をリード。後半もチーム坪井の猛攻が続きそのまま試合終了。3-0でチーム坪井が圧勝した。1勝1敗のタイに持ち込まれた福西氏は「GKが代わっただけでこれだけ違うのかと驚いた」と語り、ナスリ氏は「すみません」と肩を落とした。


第2戦 チーム坪井 3-0 チーム福西第2戦 チーム坪井 3-0 チーム福西
 そして運命の第3戦では再びブラゴーリの2人が戻って対戦。前半は0-0の膠着状態も、後半になるとゴールラッシュ。チーム福西が先制点を挙げると、すかさずチーム坪井が同点に。さらにチーム福西がリードを奪うも、ここでもチーム坪井が粘りを見せて2-2に持ち込み延長戦に突入した。そして延長後半アディショナルタイム。チーム福西が絶妙なスルーパスからゴールを決め、そのまま終了のホイッスル。2勝1敗でチーム福西が総合優勝を飾った。

 福西氏は「めっちゃ楽しかった。こんなに盛り上がるとは思わなかった」と興奮気味に語り、ブラゴーリ鈴木氏は「オフェンスの力がすごくて、得点力が高かった」と勝因を語った。敗れた坪井氏は「最後は僕のポジションミスでスルーパスを通されてしまった」とリアルサッカーのような反省を口にし、FWにコンバートされたブラゴーリ塚田氏は「DFラインとずっと駆け引きしていて、失点シーンを見ていなかった」と笑いを誘った。


第3戦 チーム福西 3-2 チーム坪井第3戦 チーム福西 3-2 チーム坪井

 この「後夜祭」に先駆けて、番外編トークセッション「Wellbeing for e-Sports」も開催。

 第1部には、北米教育eスポーツ連盟日本支部統括ディレクターの内藤裕志氏、アスノシステム株式会社代表取締役社長の齋藤武育氏が登壇。「活用編〜e-Sportsがもたらす効果と見え始めた価値〜」をテーマにeスポーツの持つポテンシャルや未来について、コミュニティ、教育、健康、仕事などの面からトークセッションを行なった。

 内藤氏は「教育現場で国語、算数、理科、社会だけでなく、eスポーツも取り入れて、その中でPCの操作のこと、配信のことなどを学んでいけたらいいと思います。現在日本ではシステムエンジニアなどのIT関連の人材不足と言われています。それらを、eスポーツを通して育んでいくと、日本の将来にとってもいいことかなと思います」と人材育成の必要性を語った。

 齋藤氏は「eスポーツは企業と企業がコミュニケーションを取るツールとして使えると思います。これからはゲームを通して会議が行なわれることもあるかもしれませんし、地域活性化や地方創生の考えのもと、eスポーツを活用することもあり得ると思っています」とeスポーツの可能性を語った。

番外編トークセッションに参加した(左から)内藤裕志氏、平野智史氏、齋藤武育氏、ナスリ氏、熊本拓真氏、そしてモデレーターの初瀬広壮氏番外編トークセッションに参加した(左から)内藤裕志氏、平野智史氏、齋藤武育氏、ナスリ氏、熊本拓真氏、そしてモデレーターの初瀬広壮氏

 第2部では、株式会社スポーツITソリューションの熊本拓真氏、FIFAプロプレーヤーのウェブ・ナスリ氏、株式会社INSIEME代表取締役YNFAメソッド責任者の平野智史氏が登壇し、「融合編〜e-Sportsサッカー×リアルサッカーの連携〜」をテーマに語り合った。

 熊本氏は「若い人たちは、eスポーツから入ってリアルサッカーをする。リアルサッカーのファンだった人が、eスポーツ選手も応援するとか、そんな循環が生まれればいいなと思っています」と語り、平野氏は「コロナ禍において、エンターテイメントから世の中を明るくすることがとても大切ですので、eスポーツの発展に期待したい」とコメント。ナスリ氏は「リアルサッカーと融合してeスポーツサッカーも盛り上がってほしいなと思います」と選手の立場からeスポーツの発展を願った。

 学びとエンタメを融合した今回の後夜祭。今後このようなイベントを、さらに規模を拡大して開催していく予定だ。

■後夜祭・トークセッションの模様はこちら>>

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る