女性ゲーマーたぬかなが嘆くeスポーツ界の女性蔑視。結果を出しても国内外から誹謗中傷がある

  • text by Sportiva
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 このような妬みに近い女性蔑視的なコメントは、男性優位の考え方で、偏見に満ちたもの。直ちに是正しなくてはならない。しかしゲーム配信で起こっている悪しき事例が、この問題を複雑にしている事情もある。それが『代打ち』だ。

「最近ゲーム配信やオンライン大会で、代行業者に依頼して、代わりにプレーしてもらう『代打ち』をやる人が出てきているんです。これは男性女性問わず、『ちょっとレベルを上げておこう』という軽い気持ちで頼む人が多いようです。それをやることで、ゲーム配信チャンネルのフォロワー数が増えるんですね。女性の場合、ゲームがうまいともてはやされる傾向があるのも事実です」

 ゲーム配信は、プロゲーマーも含め、大事な収入源の一つ。配信動画の再生数が増えれば、それだけ収益も増える。チャンネルのフォロワー数は、人気、実力、そして収入の面でも一つのバロメーターになるのだ。そのため、『代打ち』に手を染める人がごく一部存在する。ゲームタイトルによっては明確に『代打ち』を禁止しているが、なくなっていないのが現状だ。

 たぬかなはそのような疑いの目に対して、はっきりと証拠を示しているという。

「代打ち疑惑に対しては、自分が映っている映像を公開するようにしています。ただ表情だけ公開してもダメで、『他のやつかもしれないから手元と顔を一緒に映せ』と言われます。だから今は証拠のために手元と顔が見える感じで、私がやっている姿をしっかりと撮らなくてはいけないですね。

 また『元男』というコメントに対しては、パスポート画像を見せましたし、整形疑惑があった時には小学生時代の写真を掲載したこともありました」

 女性蔑視、誹謗中傷に対して一つ一つ戦ってきた、たぬかな。しかし個人では対応できない事例も出てくるようになってしまった。

(後編に続く)

【Profile】
たぬかな
1992年11月21日生まれ、徳島県出身。eスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」所属。プレーゲーム「鉄拳」。中学時代から才能を発揮し、高校卒業後に日本人としては2人目となる女性プロゲーマーとなる。アメリカで開催された世界最大規模の格闘ゲーム大会「ComboBreaker 2017」の鉄拳部門で 3位となり、「TEKKEN World Tour Online(Asia-Pacific East)」で2年連続準優勝に輝くなど好成績を残す。

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