ノブコブ吉村「eスポーツは芸人が輝ける舞台」。師匠は山奥の10代 (3ページ目)

  • 八木泰●文 text by Yagi Yasushi
  • 木鋪虎雄●写真 photo by Kishiku Torao

――負けて悔しいけど、「今の若い子もやるな」という感情ですか。

吉村 そうですね。でも、自分の頭の中では10~20代くらいの感覚なんですよ。そのまま40歳になっちゃったんで、もう同世代に負けたって悔しさに近いですね。正直、こんな辛いゲームないですよ。100人のうち、1人か1チームしか勝てないわけじゃないですか。ほぼ毎試合キルされるんですよ。何回辞めようと思ったことか......。

――でも諦めなかったのはなぜですか。

吉村 人間にとっては、程よい挫折感が必要なんだと思います。挫折して、またトライする。程よい敗北感が続いているときに、ふと勝てることがある。勝った時は程よいどころか、めちゃめちゃ気持ちいいんですよ(笑)。

――勝ちの感覚が忘れられなくて、戦場に戻ってきてしまうということですか。

竹内 あと、課金システムの平等さですね。ゲームに課金しても衣装を変えられるだけで、強くなれるわけじゃない。試合は課金勢も非課金勢も関係ないんです。

芸人トリオ「怪獣」の竹内。PUBGモバイルの腕前はかなりのもの芸人トリオ「怪獣」の竹内。PUBGモバイルの腕前はかなりのもの

――スキン(衣装やキャラの見た目)には課金されているんですか。

吉村 はい。見た目で個性を出すためにも、気に入ったスキンを手に入れています。チームを組むときに、チームメイトと衣装を揃えるっていう戦術もあるんですよ。

竹内 敵からすると、1人倒しても同じ格好の人が出てくるので「あれ、まだ生きてる?」って思うんですよね。マップの色合いによって、目立ちにくい色の服を選ぶこともあります。

吉村 雪が多いマップだったら白い服を着るとかね。さらにうまい人は、「他のチームはこういう服を着そう」というところまで読んで、敵プレーヤーと被りそうな服をあえて着て、戦闘時に相手を混乱させるとか、服を選ぶ時点から戦いは始まっています。僕は毎回同じで、皇帝みたいな服を着て竜の彫り物があるランドセル背負っています。

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