【男子バレー】石川祐希&髙橋藍、アジア選手権で両エースが見せる「強烈な自負心」 チームをロス五輪に導く (3ページ目)
今回のアジア選手権では、各選手が一種のエゴを見せつつある。そのエゴは「俺がチームを勝たせる」というリーダーシップに通じる。全員が王者の精神を持って戦っているというのか。たとえば石川、髙橋のダブルエースも「仲良しこよし」ではない、お互いが散らす火花も見える。強烈な自負心が、チームを刺激する回路を作り出したのだ。
その結果として、エバデダン ラリーは世界的なミドルブロッカーとして開花しつつあるし、小野寺太志はブロック数1位など安定感では追随を許さない。深津英臣はセッターとして円熟期を迎えているし、オポジットは西田有志、宮浦健人、リベロは山本智大、小川智大と、やはり互いの競争がチーム力の向上に結びついている。
ひとりひとりが王者の精神を持った集団になりつつあることが、いまの日本の強さと言えるか。
「アジア選手権は勝つことがすべて。これからは負けたら終わりなので、そこは気を緩めずに......」
石川は念を込めるように繰り返す。
「ロスへの切符を取るだけでなく、オリンピックでメダルを獲れるように見据えていかないと」
髙橋は湧き上がった野望を隠さない。
12日の準決勝、日本は中国を下した韓国と対戦する。ランキングでは格下だが、相手には1日休んで戦える日程的アドバンテージがある。しかしふたりのエースが双璧をなす日本は、ロスへの航路に立ち塞がる相手を沈めるだけだ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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