【男子バレー】ロス五輪へあと2勝 36歳セッター・深津英臣の「対話力」がコンビの精度を上げる (2ページ目)
【ラリーが語った手応え】
次のバーレーン戦では、日本の攻撃精度は確実に増していた。スパイカーがブロック1枚で打てる機会も多く、決定率も上がった。敵の裏をかいた配球で、スパイカーを優位に立たせることに成功したのだ。
試合後の深津に問うた。
――今日は西田選手がブロック1枚、1.5枚で打つ機会が多かったです。1枚で打たせる、というのはやはりセッターとして会心なのですか?
「いえいえ、どこでも上げられる状態を(1本目の)パスの選手が作ってくれているんで。僕が1枚にしたというよりも、まずはレセプションしてくれた選手がよかったなと思っています」
深津は謙虚に言った。自らに絡みつくようなエゴは、長いキャリアで"卒業"しているのだろう。だからこそ、頼りにされるのだ。
ミドルブロッカーのラリーも、深津とのコンビに手応えを感じているようだった。
「オミさんとは、『トスがここに来る』というのを信じられるような仲になってきました。うまくコミュニケーションを取れています。(河東)祐大さんもですが、(コンビが)合うセッターだからこそ信じて入っていけていて。そのおかげで、自分の打点も上がってるのかなと」
もっとも、その話を深津に向けると、年長者として「ラリーはまだまだです!」と冗談っぽく言ってから、こう続けた。
「もうちょっといいコンビを作れたらってところで、今日(バーレーン戦)は(クイックの)決定率が高くなかったです。彼のよさはまさに(ポジションを取って跳ね上がる)速さのところで。それが最高のおとりになり、パイプ攻撃(ミドルがおとりで、後衛の選手がバックアタックする時間差攻撃)も、両サイドも生きる。自分が打てない場合はフラストレーションもあるかもしれないですけど、彼が1枚飛んでくれるのは、やっぱりセッターとしてはありがたいって思います」
深津の滋味のある笑顔からは、若いラリーへの期待感が伝わってきた。ポテンシャルを信じることで、才能を覚醒させる。
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