【男子バレー】髙橋藍が振り返るブラジル戦 アジア選手権制覇へ向けて「いい感覚は残せた」 (3ページ目)
たとえば4セット目、髙橋は20-21のリリーフサーバーとして再登場し、サーブで崩し同点にした後、会場をどよめかすエースを決め、22-21と逆転させた。その華々しさは彼の真骨頂だった。コートの外に下がっても、勝負への集中を切らしていなかった証左だ。
そこで最後に訊いた。
――アジア選手権制覇の最大のライバルになりそうな"仮想イラン"の戦いはできましたか?
髙橋は快活な声で答えている。
「イラン、それに中国も(優勝争いの)相手になってくると思いますが......たとえば予選で当たるオースラリアもここ数年は当たってなくて、未知な相手です。間違いなく高さやパワーはあると思いますから、高さのところではブラジルといい親善試合ができましたね。まあ、ブラジルはやはり"一個抜けたうまさ"を持っていましたけど、イメージ、いい感覚は残せたんじゃないかと」
アジア選手権の予選ラウンドの相手は、オマーン、バーレーン、オーストラリアと実力差のある"格下"だが、それだけに簡単ではない。ちょっとした集中の不足だけでリズムを失うこともある。まずは、どうやって決勝ラウンドに辿り着くかが焦点になるはずだ。
「アジア選手権は過去2回戦っているんですが、独特な空気感で......。あまり試合をやらない相手もいますしね。そういうときに、"自分たちの形を崩さない"という強さが大事だと思っています」
そう語る髙橋の勝負の適応力と集中力は、ロス五輪出場権獲得のカギを握ることになるはずだ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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