【男子バレー】髙橋藍が振り返るブラジル戦 アジア選手権制覇へ向けて「いい感覚は残せた」 (2ページ目)
【温まってきたところでベンチへ】
「キルブロック(相手のスパイクを直接相手コートの真下に叩き落とすブロック)を食らうことも多かったので、高いブロックに対しての打ち方、コンビネーションのところで、決定率を上げたいとは思いますね」
試合後、髙橋はそう明かしているが、彼のエースたる所以は、試合のなかで適応できることだろう。
2セット目から、髙橋は堅牢な守備からリズムを立て直し、いい守りをいい攻めに転じさせている。神がかったディグ(スパイクレシーブ)から石川祐希の一撃を促し、安定したレセプション(サーブレシーブ)から西田有志の爆風を感じるようなスパイクを演出した。そして終盤には得意のフェイクセットで西田の得点をお膳立てし、大歓声を浴びている。
「1セット目は様子を見ながらスタートしてしまったと思います。うまくスタートをきれたかと言うと、そうではなく......」
髙橋は少し悔しそうに言いながら、ポジティブに試合を受け止めていた。
「2、3セット目になって、コンディションというか、パフォーマンスを上げられたとは思います。チームを勝たせるために、そこでの立ち回りというか、守りからリズムを作っているところは自分もあるので。もちろん、スタートから上げたかったというのは反省点ですが、途中から立て直すというのも経験が必要だし、"悪いときがあってもリズムを取り戻す"というところでどう戦うのかも、大事になっていくと思います」
実際、3セット目の髙橋は羽ばたくようなバックアタックを決め、サーブでエースも奪い取った。スイッチが入ったところで、コートを退いた。全員がコートに立って、実戦を経験することがこの日の戦略だったからだ。
「やっと温まってきたところでしたが、親善試合ならでは、監督の起用法で決まっていたので」
髙橋はそう言って笑顔を作った。彼自身が、調整試合であることを頭では理解しながら、体は勝つためにアジャストしていた点が、勝負強さの正体かもしれない。調整試合を、単に調整するだけではなく、実戦を積み上げるものとして捉えていた。
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