【男子バレー】山本智大と小川智大 ネーションズリーグ初制覇に欠かせない「ボール落とさない」技術 (3ページ目)
山本は守備者らしく言った。完璧性を求めることで、ミスを最小限にできるし、それでもミスは起こるもので、そこで改善し続けられるか。リベロは常に失敗から学習するポジションで、さもなければ、相手の渾身の一撃を拾う技量など身につかない。その点、彼は至って用心深く、性質的に守備者と言える。
カナダ戦、アルゼンチン戦で山本に代わって守護神ぶりを見せた小川も同じことが当てはまる。
「バレーは点を取らないと勝てないので......リベロは常に冷静に判断し、たとえば相手が強いとブロックもいいので、丁寧にブロックフォローするとか。(無理に打たず)賢くリバウンドを取るとか。力任せに戦うだけではなくて。VNLでフルセットの試合を全部取れているのは、"最後の1点を取りきるチーム"の証拠。全員が同じ方向を見られているのかなって思います」
山本は不敵な笑みをもらして言った。チームを加護する力は、相手には絶望を与える。たとえば打出の小槌をふる大黒天は福々しいが、破壊神シヴァが変身した姿だ。
VNL決勝ラウンドは、7月29日に開幕する。日本は開催国の中国と準々決勝で対戦。史上初の優勝が手の届くところまできたが、今年の目標はあくまでロス五輪出場をかけたアジア選手権(9月、福岡県で開催)だ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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