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【男子バレー】ベテラン山本智大の飽くなき向上心「まだいける」「謙虚さを忘れず、もっと上を」 (2ページ目)

  • 小宮良之⚫︎取材・文 text by Yoshiyuki Komiya

【リベロのライバル、小川智大とはご飯にも行く仲】

 昨年9月にフィリピンで開催された世界バレーの取材エリアで、山本は現地の人たちに囲まれていた。石川祐希、髙橋藍の人気は別格として、それに次ぐ人の多さだった。バレー漫画『ハイキュー!!』の登場人物である西谷夕の実写版──そんなキャラクターで注目を集めていたようだ。

 拾う、つなぐ、ラリーの応酬。そうした日本バレーの粘り強さの象徴として、山本はフィリピンでも好評だった。

「小川(智大)選手もそうですが、日本のリベロは世界のトップで活躍できる力を持っていると思います。実際、海外で日本人リベロが活躍するようになっています。(自分は)その流れを作れたのかな」

 山本はそう誇らしげに言う。今や日本バレーはリベロ大国と言っていいだろう。

 日本代表では、山本、小川という優れたリベロがしのぎを削っている。甲乙つけ難いふたりが静かに散らす火花。それは日本バレーを明るく照らすようになった。

 そこで、山本に問うた。

──小川選手はどんな存在ですか? 切磋琢磨する刺激的な存在か、勝って一番を誇りたいライバルか、融和的に戦う仲間か?

 山本は一拍だけ置いて答えた。

「どれも全部ありますね。でもコートに入ったら、"絶対に負けない"という気持ちでやっています。普段は普通に仲が良いし、ご飯も行く間柄。リベロならではの、バレーの会話もできる。そんな人、なかなかいないんですよ、同じポジションで、敵じゃないですか。でも、僕は彼をリスペクトしている。お互いコートに入ったら、"やってやる"って気持ちですけどね」

 リベロは原則的にひとつのポジションを争う。しかも五輪代表のリベロ枠は、基本的にひとつ。攻撃に参加しないだけに、守りでミスが許されない。言わば引き算のポジションで、その重圧に耐えられる者だけのポジションだ。

 山本と小川は親密な空気のなか、それぞれリベロという仕事と向き合っているのだろう。リベロ以外の選手は、息苦しくて耐えきれないかもしれない。

 では、小川にあって山本にない、山本にあって小川にないものがあるとしたら、それは何なのだろうか。

「うーん......難しい質問ですね。『取り方も似ている』ってよく言われるし、サイズやディフェンスや動き方も......。このレベルでも、この日はいい、悪いという調子の波がある。

 それは僕と小川だけじゃなく、世界的なトップリベロの(フランス代表ジェニア・)グラベニコフ選手も、(アメリカ代表エリック・)ショージ選手も、(ポーランド代表パベウ・)ザトルスキ選手にも、"いつも通りじゃない"とか、逆に"やっぱりうまいな"って日があるんです。そこで自分は"より波を少なくする"、"普通のプレーを続ける"というのを心がけています」

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