【男子バレー】関田誠大、新天地は「伸びしろがある」 開幕SVリーグ、混戦は続くのか (3ページ目)
ブルテオンの指揮官トーマス・サムエルボも、甲斐を開幕2試合連続で先発起用し、将来性に期待していた。
「甲斐はすごい才能を持った選手で、今は毎日レセプションからベーシックなメカニズムをつくっています。彼については、"若い選手"と言いたくない。どれだけいいか悪いか。今日はよくなかったですが、昨日よりはよくなっています。ディフェンスで少しエネルギー不足で他の選手に代えましたが、今は向上中で見守りたいです」
王者サントリーも、新チームで調整段階と言える。昨シーズンはやや出遅れたが、むしろピーキングがチャンピオンシップに合っただけに、今シーズンも焦っていない。関田誠大、小川智大など柱となるポジションに新加入選手も多く、成熟はこれからだ。
「結果は悔しかったけど、このメンバーと試合ができて"楽しい"と思いました」
関田は開幕戦後にそう言って、勝利した2試合目はPOM(ゲームMVP)に選ばれている。
「伸びしろがあるな、って感じています。チーム全体のコネクション、関係性が大事で、僕が誰をどう使うのか、というのが、これからよりわかっていくはずで......。このシーズン、それで自分の課題も出るはずだし、成長できると思っています」
関田がドミトリー・ムセルスキー、髙橋藍、小野寺太志などを自在に使えれば、無敵モードに突入するか。
サントリー、ブルテオンが覇権を争うのは間違いない。一方、ウルフドッグスも宮浦健人、水町泰杜という二枚看板をセッターの深津英臣が操ると、日本人コネクションを土台に食い込んでくる。最後は日本人選手がカギを握るはずだ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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