【男子バレー】世界バレー予選敗退でティリ監督を直撃 西田有志、関田誠大の不在の影響は? (2ページ目)
【「解決策を探していかなければならない」】
カナダ戦の髙橋藍は勝負にかける気持ちを見せ、捨て身に近かった。結局、それがプレーを好転させていた。彼の本来の力を引き出していたのである。
しかし、チームとしては沸き立つような戦いができなかった。
――全体的に切迫感が足りなかったのでしょうか?
髙橋に訊くと、彼は一瞬、逡巡して答えていた。
「経験が少ない選手は多かったと思います。自分もまだ24歳で、正直、その経験は足りていないし、完璧にやれているわけではない。ただ、『ロス(五輪)で勝つ』と言うからには、今日のような試合で勝てるようにならないと」
乾坤一擲の勝負を挑めるか。その差が出たかもしれない。
「今日のカナダ戦はトルコ戦よりよかったと思いますが、カナダもいいプレーをしてきて。我々もこうした経験から学ばないといけません」
東京五輪でフランス代表を優勝させた名将ティリ監督は柔らかい表情を作って説明し、こう続けている。
「我々は負けたわけで、解決策は探していかなければなりません。おそらく、もっとタフな試合を戦わないといけないでしょう。フィジカル的なタフさというか、テクニックレベルはもう高いので。ただ、忘れてほしくないのは、私たちは今チームビルディングの真っ最中ということ。ロサンゼルス五輪という長いゴールに向かっているところなのですよ」
日本国内では、批判するポイントを見つけ、ネガティブな感情が渦巻いているという。「あの選手が足りなかった」「あの選手がよくなかった」「監督の問題ではないか」「もともと強かったの?」......。結果だけを見た人まで、ここぞとばかり御意見番になる。
現場で戦いを取材していると、入り込んでしまい、敗因の整理は難しい。どれも一理あるが、どれも的外れに思える。それはシンプルで、複雑なものだ。
そこで、あえてティリ監督に訊いた。
――単刀直入に訊きますが、西田有志選手、関田誠大選手の不在は響きましたか?
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