【男子バレーボール】髙橋藍が語る欧州王者ペルージャ戦への抱負「どこまで戦えるのか、楽しみ」 (2ページ目)
【さまざまな経験を積み、たくましさを身につけてリーグ優勝】
髙橋らしい表現だ。彼は自他ともに認める強烈な負けず嫌いだが、無謀な勝負をするタイプではない。勝つべき段階を踏んでこそ、と考える常勝の精神の持ち主だ。
だからこそ、彼は"勝負の天才"の気配を放つ。それは代表でも、SVリーグでも、変わらない。代表では着実に成績を上げてきたが、一足飛びではなく、着実な進化と成長を遂げてきた。一方、SVリーグでも"全勝を目指す"という力みや危うさはなく、勝負どころを見極めて準備を整え、天皇杯、SVリーグを制した。
2021年から24年までイタリアでプレーしていた時も、それは同じだった。モンツァでの2023-24シーズン、セリエAの決勝に進む快挙を遂げたが、ペルージャに敗れ(当時、石川はミラノでプレー)、タイトルには手が届いていない。そこでも、髙橋は冷静に試合を振り返っていた。
「最後は経験の差だったかな、と思いますね。(優勝した)ペルージャは(ポーランド代表ウィルフレッド・)レオン選手も、(イタリア代表シモーネ・)ジャネッリ選手も"決勝で勝つ"経験をしていて、そこの差はありました。僕たちは、そのイメージを持てていなかった。でも決勝まで来て、自分は勝つことをイメージできるようになったし、"次は勝つ"という段階を踏んでいけるはずで」
髙橋の土台には、適応力や不屈さがある。だからこそ、劣勢にも強く、土俵際で粘れるのだ。
「勝負は常に準備をしていないと。ストレートでパンって勝つのが楽ですけど、そうとは限らない。劣勢になった時に、自分たちのバレーを取り戻せるか、自分たちのプレーができるか。それが勝負では一番大事。いろんなイメージを準備し、落ち着いてプレーすることですね」
あらゆる戦いを重ねて、彼は強くなってきている。その結果、サンバーズをSVリーグ王者にも導くことができた。そして進化を続ける日本代表でも、石川と人気、実力を二分し、先頭を走り続けている。
はたして髙橋は、ペルージャ戦のコートで"勝つイメージ"を持てるのか。石川との対戦は、"勝負の天才"をさらに覚醒させるだろうか。
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