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宮浦健人が語る「エースの自覚」 そのスパイクが日本代表のファイナル進出を左右する (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「リスクを負って攻めるしかなかったので。そこはチームで統一して......」

 宮浦は大逆転の立役者となり、敵の長身ミドルブロッカーが番人のように立ちはだかっても、そこを堂々と撃ち抜いた。

「アルゼンチンは特にミドルの選手がブロックもすばらしくて、サイドの選手も高さあったので、そこは意識していました。まずはサイドの選手の位置どりを見ながら、ラインを閉めてきたら間を打ってみたり、ラインが開いていたらラインに打つように。その都度、冷静にしっかり適応できたかなって。まだまだ振り返れば"ああしていればよかった"はあるのですが」

 朴訥に語る姿が、むしろ頼もしい。武人の重々しさを纏っている。それでいて、たまに笑うと無垢さが出る愛らしさで、女性ファンが急増しているのだろう。

「自分は本当に、ただ、やるべきことをやるだけ」

 短い言葉に意外性はないが、生き方そのものが詩的に映る。彼が行くのは、エースの道だ。

 7月20日、日本はファイナル進出をかけ、強豪アメリカと対戦する。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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