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西田有志が包み隠さず語る1年目のSVリーグの課題と手ごたえ 自身の発信に「どんな反応があってもいい」 (3ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Tanaka Yuko

 西田は2018年にジェイテクトSTINGS(ジェイテクトSTINGS愛知)に入団し、20年にはチーム初優勝に貢献してMVPも受賞した。バレーボール選手としてひとつの目標を叶えたが、時はコロナ禍。共に喜び合いたいファンの姿がない、無観客での決勝だった。

「あの景色は忘れられないです。1点取って、普通ならワーッと盛り上がる場面でも歓声がない。いい時も、うまくいかない時も自分で盛り上げて、自分で立て直すしかない。あんなに苦しい優勝は初めてだったし、2度と(無観客試合は)経験したくないです」

 それは見ている側も同じだろう。

 西田が日本代表に初選出された翌年、2019年のワールドカップ最終戦。カナダとの試合で見せた5本のサービスエースを含む6連続得点や、ラリーを決するスパイク、そして決めた後に両手を握りしめて叫ぶ姿。西田のプレーには華があり、会場を一気に盛り上げる。いつ、いかなる時も"主役"と言うべき存在ではあるが、「僕よりすごい選手がいっぱいいすぎる」と苦笑いを浮かべ、次々に名前を挙げる。

「まず、ウルフドッグス名古屋のニミル(・アブデルアジズ)選手は別格。1本1本のスパイク、サーブはもちろんですけど、もともとセッターの経験もあるのでトスもうまいし、プレーに遊び心がある。『このボール、どう取れる?』みたいな感じでティップを落としてきたかと思えば、ドカーンとまた違うコースに打つ。すごすぎです(笑)。

 ニミル選手だけじゃなく外国籍のすごい選手はたくさんいるし、日本人だって宮浦(健人)選手や水町(泰杜)選手(ともにウルフドッグス名古屋)もすごい。水町選手なんて、身長181cmと小柄なほうなのに勝負所でめっぽう強いし、一番大事なところで一番いいサーブが打てる。完全に主人公じゃないですか。すごい選手、いっぱいいるんですよ」

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