『劇場版ハイキュー!!』で日向翔陽役の村瀬 歩が「古舘春一さん、すごすぎない!?」と思いながら演じたセリフとは? (3ページ目)
【作中で「すごすぎる」と思った日向のセリフ】
――どのセリフも当てはまると思いますが、村瀬さん自身が「特に気持ちがこもった」と感じたセリフはありますか?
村瀬 日向が"モチベーションの塊"のようなキャラクターなので、これまでのシーズンもそれに助けられてきました。その中でも、「点を獲るのに近道が無いって事だけはしってる」というセリフは「すごすぎる」と思っています。
これは、バレーの花形であるエースに憧れていた日向が、ミドルブロッカーとして"囮役"を担ったり、できなかったレシーブやサーブに取り組んだりと、いろんなことに目を向けて努力した末に出たセリフです。センスや運動神経だけではなく、バレーをする上での考える力を養い、努力してきたゆえに研磨に対抗できる土台ができていた。自分自身の努力への自信が、「点を獲るのに近道が無い」という言葉になって表れたんだと思います。
――重みがある言葉ですね。
村瀬 もう、「(作者の)古舘春一さん、すごすぎない!?」って(笑)。おそらく、初めの頃の日向がこのセリフを口にしたとしても、「まぁ、そうだね」くらいで終わっていたと思いますし。それで日向が......とさらに話したいところなのですが、それは映画館で観ていただきましょう。
とにかく『ハイキュー!!』という作品自体が面白すぎて、僕もキャラクターたちのセリフに助けられることが多いです。今回の劇場版もそうでしたね。「自分も、声を枯らすくらい収録を頑張らないといけない。簡単な道はないんだ」と決意してマイクに向かいました。
意外と原作の漫画を読んでいる時は、ストーリー、セリフ、絵など全部が素敵だからどんどん読み進んでしまうんです。いつの間にか読み終えて「面白かったぁ」と(笑)。なので、演者として日向視点で今回の劇場版と向き合い、ひとつひとつのシーンを演じていくことで、このセリフのよさをあらためて実感しました。
――では最後に、作品をご覧になられる方々にメッセージをお願いします。
村瀬 みなさんも我々も待ち望んだ決戦です。声優陣も頭が真っ白になるくらい叫び続けて、汗を流しました。満仲監督が手掛け、音響や大画面といった映画館ならではの迫力がそこに加わり、漫画とはまた違った面白さが感じられる作品になっていると思います。
今作品の試合が好きな方も、まだ作品に触れていない方にも、ぜひご覧いただきたいです。一度と言わず、二度、三度......何度でも! 映画館に足を運んでいただけると嬉しいです。
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【プロフィール】
村瀬 歩(むらせ・あゆむ)
1988年生まれ。米ロサンゼルス出身。大学生の頃に声優を志し、日本ナレーション演技研究所に入所。2011年にテレビアニメ『Persona4 the ANIMATION』で声優デビューを果たす。TVアニメ『新世界より』の青沼瞬役で初めてメインキャラクターの声を担当し、2014年に『ハイキュー!!』の日向翔陽役で初主演を務める。同年の『怪盗ジョーカー』でも主人公ジョーカーの声を担当するなど、その後もさまざまな話題作に出演。2016年には、第10回声優アワードで新人男優賞を受賞した。
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