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石川祐希が感じる男子バレー日本代表の進化 でも「達成感はまったくない」のはなぜか (4ページ目)

  • 柄谷雅紀●取材・文 text by karaya masaki
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

【「大事な場面で点を取る」ことの自己評価は何点?】

――通算275得点で大会のベストスコアラーにもなりました。これまでテーマにしてきた「大事な場面で点を取る」ことについての自己評価はどうですか?

「大事なところで取れた時もあったし、取れなかった時もありました。例えば取れなかった場面でいうと、ブラジル戦の第5セット、14-13と勝利まであと一歩に迫った時のプレー。リベロの山本智大選手(パナソニック)がサーブレシーブをダイレクトで相手コートに返してしまったのを、トランジションで自らレシーブしてミスを取り返してくれた。そのボールを、セッターの関田誠大さん(ジェイテクト)が僕に託してくれたんですけど、スパイクがアウトになってデュースになってしまいました。

 そこは『足りなかったな』と思います。クロスに長く打ったら、フラビオ(・グアルベルト/ミドルブロッカー)がブロックの手を引いたんです。あれはフラビオがうまかったんですけど、僕も手を引かれることは想定しているので、コートの角に高く長く打つことを意識して打ちました。でも、それがちょっとズレてしまった。

 デュースに持ち込まれる原因を作ってしまったので、反省ですね。その後から、ハイボールを長く打つ時に気をつけるようにしました。大事な場面で点を取る力でいうと、まだ80点か85点くらいです」

――今のチームなら、パリ五輪でさらにいい色のメダルを目指せるという手応えはありますか?

「正直なところ、それはまだありません。今回、銅メダルでもけっこうギリギリだったので、それ以上となると、よりタフさや経験が必要になります。今のままでは難しいですが、この後のアジア選手権、OQT、さらに来年のネーションズリーグがあるので、そこでどれだけ戦えるかによって、パリ五輪での目標や可能性も変わってくると思っています」

【プロフィール】

◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)

1995年12月11日生まれ、愛知県出身。イタリア・セリエAのミラノ所属。星城高校時代に2年連続で三冠(インターハイ・国体・春高バレー)を達成。2014年、中央大学1年時に日本代表に選出され、同年9月に代表デビューを飾った。大学在学中から短期派遣でセリエAでもプレーし、卒業後の2018-2019シーズンからプロ選手として同リーグで活躍。2021年には日本代表のキャプテンとして東京五輪に出場。29年ぶりの決勝トーナメント出場を果たした。

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