髙橋藍、男子バレーの新星は19歳。兄が振り返る急成長の過程 (2ページ目)

  • 高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

攻撃力だけでなく、守備力の高さも光る攻撃力だけでなく、守備力の高さも光るこの記事に関連する写真を見る 2021年3月に発表された日本代表登録メンバー24名にも名を連ね、前述の親善試合・中国戦のメンバー14名にも選出。新主将の石川祐希が不在だったこともあり、いきなり第1戦から、大塚と共にスターティングメンバーとして起用された。

 第1戦は格下の中国に対してフルセットでの辛勝。序盤は髙橋の攻撃がブロックされる場面も目立ったが、セットを追うごとに調子を上げていった。髙橋は試合後、「序盤は相手の高さに慣れず、様子見をしてブロックされてしまった。だけど徐々に慣れて、終盤は改善することができました」と話した。

 そして翌日の第2戦、髙橋は第1セット序盤から連続得点するなど大活躍。髙橋本人は修正した部分についてこう振り返った。

「前日に被ブロックが多かったので、高い位置から打つこと、ブロックアウト(相手ブロックを利用して得点)で決めることを意識しました。勝負所でスパイクを決められたことが自信につながりましたね」

 さらに、翌週の5月8日、9日に行なわれた紅白戦でも攻守で活躍し、彼が入ったチームは2日間とも勝利。髙橋は「中国戦後、高さのある相手に対してどう攻撃していくかを意識して練習に取り組みました。1週間でスキルを伸ばすことは難しいですが、意識を変えることはできる」と手応えを口にした。19歳とは思えない高いレベルでの試行錯誤、それを的確な言葉で表現する発信力の高さも感じられた。

 五輪代表に残れるのは12人で、そのうちアウトサイドヒッターは4人である。このポジションはリベロと一緒にサーブレシーブを担うため、レシーブ力が非常に重要だ。髙橋も「自分の役割は、まずレシーブ。次に攻撃」と語る。

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