春高バレーで輝いたヒロインたち。カナの妹やドリームガールズの今 (3ページ目)

  • 高井みわ●文 text by Takai Miwa
  • photo by YUTAKA/アフロスポーツ

 東北の学校では、1996年大会で優勝した宮城県の古川学園(旧古川商業)で「ドリームガールズ」と呼ばれた選手たちがいた。菅山かおる(小田急→JT→ビーチバレー)、高橋翠(日体大を経てトヨタ車体)、大沼綾子(小田急→日立佐和=現在の日立)、高橋めぐみ(JT→健祥会)、板垣紘子(日立=現在の日立とは別チームで廃部)、金田智子(イトーヨーカドー→武富士)と、のちにVリーグ入りした選手たちが勢ぞろい。そのうち高橋めぐみ(188cm)、板垣(185cm)、大沼・金田(ともに180cm)と180cm以上の選手が4人もベンチ入りしたことで、「ドリームガールズ」の名前がつけられた。

 この選手たちは当然、日本代表でも主力として活躍することを期待された。しかし、代表で活躍したのは大型選手たちではなく、169cmの菅山と172cmの高橋翠だった。2人は2006年の世界選手権代表となり、バレー三大大会(五輪、世界選手権、W杯)のひとつに出場を果たした。

 年齢は少し離れているが、ポジションが全員セッターだった比金桃子、みなみ、有紀の3姉妹もインパクトが強かった。3姉妹は東京都品川区の出身で、中学までは地元の公立中、高校は大分県の東九州龍谷、大学は東京都に戻って青山学院に進学と、同じ進路を歩んでいる。

 長女・桃子は、春高の3月開催が最後になった2010年大会(2011年から1月開催で3年生の出場が認められた)で、1学年下の鍋谷友理枝(現・デンソー)らと共に、双子の大野果歩(現・東レ)・果奈(元NEC)姉妹擁する古川学園と決勝を戦い、セットカウント3-1で勝利して3連覇に貢献した。青山学院大卒業後はトヨタ車体に入団し、2017年の皇后杯優勝などに貢献。2019年6月にビジネスの道に進むということで退団した。

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