坂口佳穂、強豪勢ぞろいの大会で苦杯。東京五輪出場の可能性はいかに (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 tex&photot by Kosaki Yoshihisa

 今大会は川砂を使用し、足もとが堅く締まるタイプのコートで行なわれた。そのため、跳躍しやすく、高さのある攻撃型のチームに有利な設定だった。第2セットでは、高さで勝る坂口佳&村上ペアがそのアドバンテージを生かし始め、坂口佳がスパイクをしっかり打ち込めば、村上もチームの攻撃の軸となるサーブを効果的に決めていった。

 こうしてリズムをつかんだ坂口佳&村上ペアは、序盤こそ相手に先行されたが、8-8と追いつくと、すぐに逆転。ミスから詰め寄られる場面もあったが、最後は坂口佳のスパイク、ブロックで突き放して、21-17で第2セットをモノにした。

 セットカウント1-1とし、流れは完全に坂口佳&村上ペアに傾いていた。第3セットも、村上のサーブと坂口佳の強打で得点を重ねて、開始早々に5-1とリード。その勢いのまま、勝利を収める雰囲気にあった。

 だが、相手の鈴木&坂口由ペアは冷静だった。「村上のサーブが強力で、1セットで3、4点は立て続けに取られることは、最初から覚悟していた。でも(坂口佳&村上ペアは)サーブがよくても、プレーに波があるので、慌てることはなかった」と鈴木。坂口佳&村上ペアは、坂口由のコートの四隅を狙うショットで揺さぶられると、攻守のリズムが徐々に崩れていった。

 そして、坂口佳&村上ペアは、5-1から6-6まで一気に追いつかれると、相手にエースを取られて逆転を許す。そうなると、坂口佳&村上ペアには反撃する力は残っていなかった。10-15で第3セットを落とし、セットカウント1-2で痛恨の1回戦負けとなった。

 村上が「第2セットのテンションを、第3セットでも続けられなかったのが敗因」と言えば、坂口佳は「リードしても、いい流れが来ても、自分たちがミスして、流れを断ち切ってしまった」と言って唇を噛んだ。

 続けて、坂口は今シーズンをこう振り返った。

「(今季ツアー2勝も)課題としていた上位のチームが出てきたトーナメントで、なかなか結果につなげることができなかった」

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