「早く問題提起すべきだった」柳田将洋が悔やむ自身と全日本の未熟さ (2ページ目)

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari

――日本のファンが「ポーランド応援ツアー」で訪れた、現地時間2月2日の試合では大活躍して勝利に貢献し、MVPに選ばれましたね。

「ポーランドまで来てくれたファンの方々が、『結果を残したい』というモチベーションを高めてくれました。活躍できて安心もしたんですが、それよりも感謝の気持ちのほうが大きかったですね。試合後には交流する機会もあって、激励の言葉をかけていただいたのも嬉しかった。応援してくれる方々がいるからこそ、苦しいことがあっても乗り越えていけることを再認識できました。

 中には、『応援がプレッシャーになる』という選手もいますけど、すごくもったいないことだと思います。期待に応えられないかもしれない不安があるのかもしれませんが、ファンは選手をサポートしてくれる存在ですし、一緒に戦っている"仲間"でもある。ファンの皆さんも同じ気持ちで声援を送ってくれていると信じていますから、これからもそれをプラスの力にして頑張っていきたいです」

――ポーランド1部リーグでは、昨季にアルロン・ヴィルトゥ・ヴァルタ・ザビエルチェに移籍した全日本の古賀太一郎選手もプレーしています。同じプロ選手でもある古賀選手に、移籍などの相談はしたんですか?

「『ブンデスリーガで結果を残せたらポーランドリーグに移籍したい』と考えていた時に、ちょうど古賀さんがポーランドに移籍したので、昨シーズン中もいろいろ相談させてもらいました。実際にプレーしている古賀さんの情報は貴重でしたね。プレー面だけでなく、生活面についても聞きました。古賀さんは今季からポーランドに家族を呼び、そのうえでバレーに集中する環境を整えている。そういった力も、プロとして重要なことだなと思いました」

――国は違いますが、プロ1年目の石川祐希選手も、イタリアのセリエAで奮闘していますね。

「海外組は頻繁に連絡を取り合っていて、お互いの戦績もチェックしています。祐希も苦しい思いをしながら頑張っている。(所属チームの)シエナがなかなか勝てない状況ですが、それで落ち込む人間じゃないので、あまり心配はしていません(笑)。今シーズンの戦いで得たものを、全日本で生かしてくれるはず。僕もそれに負けないようにしたいですね」

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