「早く問題提起すべきだった」柳田将洋が悔やむ自身と全日本の未熟さ
昨年、全日本男子の主将を務めた柳田将洋は、プロ転向後2年目のシーズンを思わぬ形で終えることになった。
ドイツ・ブンデスリーガ1部のバレーボール・バイソン・ビュールから、ポーランド1部リーグのクプルム・ルビンに移籍し、シーズン途中からチームの主力として活躍。試合ごとに選出されるMVPに輝くことも多かったが、今回の取材を行なう直前の2月上旬、練習中にケガを負った。
後に左足首の靱帯損傷と骨挫傷を生じていることがわかり、現在は帰国して治療を行なっている。全日本男子にとっても大きな痛手ではあるが、中垣内祐一監督も「ゆっくり焦らずに治してほしい」と、万全な状態でコートに戻ってくることを期待している。そんな柳田が語った、ポーランドリーグでの戦い、全日本への思いとは。
今季、ポーランド1部リーグでプレーした柳田 photo by Amy――昨季プレーしていたブンデスリーガとポーランドリーグの違いは?
「各国の代表選手がたくさんいますし、ポーランドのほうがリーグのレベルが高いように感じます。毎試合がハイレベルで、かなりプレッシャーがかかる場面も多いですから、このリーグに来てよかったと思っています。
今のチームはプロ意識が高い選手も多いですね。昨シーズンにプレーしたビュールは若い選手が多く、僕が途中からキャプテンを務めていましたが、ルビンは経験豊富な選手が揃っている。キャプテンは39歳のセッターです。そういうベテラン選手のプレーだけでなく、体のケアに費やす時間の使い方など、準備面もとても勉強になります」
――リーグのレベルの高さに苦労することはありませんでしたか?
「チームの信頼を得るまでに時間がかかりましたね。最初は自分のスキルが通用せず、チームとひとつになってコートに立つことができていないと感じていました。逆に、1回でも活躍すれば信頼してもらえるチャンスがある、ということも徐々にわかってきた。だから中盤以降は吹っ切れて、集中してプレーすることができました」
――柳田選手がチームに求められていることは?
「ルビンは全日本と似ているところがあって、サーブでしっかりと相手を崩し、そこからブロック、ディフェンスで試合を作っていくチームです。僕が求められているのは、相手を崩すサーブ。その役割を果たせた時には自分の存在意義を示せたと実感できますし、チームの持ち味のひとつになっていると思います。
ディフェンスについても厳しく言われますね。僕は海外バレーのサイドアタッカーとしては身長が低い(186cm)ので、レシーブなどが安定していないと起用されなくなってしまう。監督やコーチはサーブとディフェンスに高い目標を設定し、しっかりシステムを作り上げていますから、それに沿って動かなかった選手へのゲキはすごいです。それは勝つために必要なことですから、まったく抵抗はありません」
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