2018.11.07

バレー女子20歳のエース、黒後愛が
支えにする中田監督の力強い言葉

  • 中西美雁●取材・文 text by Nakanishi Mikari
  • 堀江丈●撮影 photo by Horie Joe

 11月3日に行なわれたVリーグ女子の開幕戦で、昨シーズン6位の東レアローズは2連覇を狙う久光製薬スプリングスに3-0のストレート負けを喫した。”女王”に出鼻をくじかれた東レだが、この試合で10得点を挙げた20歳の若きエース・黒後愛を中心に巻き返しを図る。

 今年度にシニアの全日本代表デビューを果たし、世界選手権でも存在感を示した黒後。さらなる飛躍を期して迎えたVリーグ開幕直前に、全日本で掴んだ手応えと今後の課題について聞いた。

東レのエースとして活躍が期待される黒後――世界選手権前には「ヤバイくらい緊張してない!」と言っていましたが、実際に大会を終えていかがですか?

「本当にあっという間で、すごく幸せな時間を過ごせました」

――今年からシニアに参加し、春にはネーションズリーグ、夏にはアジア競技大会を戦いましたが、世界選手権の相手はそれまでの2大会とはひと味違ったのではないでしょうか。

「そうですね。世界選手権は1試合1試合により気迫がこもっていたので、1点を取るだけでも本当にうれしかったです。自分たちもそうでしたが、他国の代表チーム同士の試合でもそれをすごく感じて、『ああ、これが世界選手権なんだ』と思いました」

――中田久美監督は大会の終盤に、「黒後愛と古賀紗理那の育成という今年度の目標を、ある程度は実現できた」と発言していましたが。

「自分はまだ実力不足なのに、春からずっと起用してくれて感謝しかありません。厳しいときもありましたが、『試合に出続けていて、絶対にヘタにはなってないから自信を持って』という久美さんの力強い言葉が支えになりました」

――世界選手権で印象的に残っている試合はありますか?

「(3次ラウンド第2戦の)イタリア戦ですね。フルセットまでもつれ込んで、最終セットを13-15で落としてしまったことは悔しかったです。逆に、そこまで全勝できていたイタリアから2セットを取れたことは、全日本にとって大きな収穫になったと思います」

――大会を通して、試合途中から石井優希選手(久光)と交代することも多かったですね。

「もちろん悔しかったですし、コートに立ちたいという思いはありました。でも、自分がプレーしているときはユキさん(石井)がすごく背中を押してくれるので、『自分もそういう役割を全うしたい』という一心で声援を送りました」