かつての「春高のヒロイン」二見梓。ビーチ歴2年でアジア制覇なるか (3ページ目)

  • 小崎仁久●取材・文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 だが、そうした多くの選手が戸惑い、苦悩する時間を、二見はあっさりと乗り越えてしまった。その結果、2016年の夏から本格的にビーチを始めて1年足らずの、2017年の国内ツアー開幕戦で初優勝を果たしている。

 もちろん、ゲームメイクを担うパートナーの長谷川の力によるところも大きいが(長谷川もインドアからの転向)、ビーチではインドア時代にはほとんどプレーすることがなかったレシーブやトスの能力も求められることを考えれば、二見のポテンシャルの高さは並みではない。

 ふたりは、昨シーズンからイタリアのローマに練習拠点を置いている。そんな練習環境を含め、世界のトップチームが集まるヨーロッパに身を置いているということが、いい刺激となって、個々のレベルアップにもつながっているに違いない。

 昨季は、ワールドツアーのモロッコ・アガディール大会(1-Star〈〉)で準優勝、オーストラリアのシドニー大会(2-Star)ではベスト4入りを果たした。いまだ優勝はないものの、グレードの高い大会でも着実に結果を残している。
※Star=大会のグレード。5段階に分けられており、最も高い大会が5-Starで、最も低い大会が1-Star。

 現在、ワールドランキングも上昇中で、30位前後につけている。2年後の東京五輪において、二見と長谷川はランキングによる出場権獲得(ワールドランキング15位以内)を狙っており、それもまったく夢物語ではなくなってきた。

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