「絶対エース」へ成長中の黒後愛。
スランプ脱出でプライベートも充実
今年が初開催となった国際大会のネーションズリーグ。全日本女子バレーボールチームは決勝ラウンドには進めなかったものの、9月に行なわれる世界選手権に向けて多くの収穫と課題を得ることができた。
なかでも"絶対エース"の誕生に期待を抱かせたのが、全日本デビューを飾った20歳の黒後愛だ。
全日本デビュー大会となるネーションズリーグで活躍した黒後愛 180cmの新星は、下北沢成徳高校を卒業してVリーグの強豪である東レアローズに入団すると、2017-2018シーズンはルーキーながら攻守で活躍。最優秀新人賞を獲得した。そして、全日本デビューとなったネーションズリーグでは、6月7日のタイ戦で29得点を挙げるなど、大会が進むにつれて大器の片鱗をのぞかせた。
中田久美監督からも「エースとしての成長を期待している」と期待を寄せられる黒後に、初のVリーグで得た手ごたえ、全日本での今後について聞いた。
――まず、Vリーグ1年目を振り返っていかがですか?
「高校時代と違い、全日本で世界と戦ってきた選手や、Vリーグで何年も経験を積んでいる選手がいるので、その選手たちと戦えたことは自分にとってプラスになりました。1年を通して出場できたことがすごく大きかったです」
――リーグの最中に、元東レアローズの迫田さおりさんにアドバイスをもらったと聞きましたが。
「1レグで対戦した各チームにデータをとられて、対策されてスランプに陥ってしまったんです。そんなときにリオ(迫田)さんに『みんながつないだボールは、ミスしても打ち切らないと』とゲキを飛ばされました。
そこで目が覚めて、『どんなに決まらなくても、トスを呼んでアタックを決めるのが自分の役割。ブロックがきても弾き飛ばすくらいじゃないとだめだ』と腹をくくり、スランプから脱出することができました」
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