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男子バレーのエース柳田将洋vs石川祐希、
2人の直接対決で起きたこと (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 柳田はこの大会を最後にサントリーを離れ、プロ選手として海外リーグに挑戦する。その決意に際し、先に2度の海外リーグへの留学を経験している石川の影響も多分にあると語る。その石川については、「プレーを見たのは久しぶりでしたが、相変わらずレベルの高い選手で、スパイクの打ち方など、参考にしたいと思えるところもあった」と称えた。

 一方、柳田からサーブで狙われた石川は、「柳田さんのサーブは速いし回転がないので、はじいてしまう。そういう球が来ると思って構えていたら、前に落とされたりして揺さぶられてしまった」と苦笑い。中大は、U-23のアジア選手権のメンバーに選ばれた、主力の大竹壱青(オポジット=攻撃専門のポジション)が抜けており、その影響も少なくはなかった。

 試合には敗れたが、エースの存在感を見せた中央大学の石川祐希 試合には敗れたが、エースの存在感を見せた中央大学の石川祐希 それでも、3セット以降に打数が自分に集中したことに関して、「打ち切れる自信はあるので、(トスを)持ってきてほしいと思っていました」とエースの矜持(きょうじ)をにじませていた。石川は、4月中旬にセリエAの短期留学から帰国したばかり。イタリアで痛めた腰の状態も万全ではないが、「腰はいいか悪いかでいえば、悪い。でも、普通にプレーはできますし、あと1試合やった後に全日本の合宿に入るので、それに向けてコンディションをしっかり整えたい」と前向きだった。

 互いを意識しながら実力を高め合う柳田と石川。2人を含めた全日本男子代表は11日から合宿を行なう。国内での今年度最初の試合は、6月9日からのワールドリーグ高崎大会。激戦を繰り広げた両エースが、今度は同じユニフォームを着て海外勢を迎え撃つ。

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