木村沙織から全日本のエースを引き継ぐのは、ひと皮むけた古賀紗理那だ (2ページ目)
そして、『バレーはひとりでやるものじゃない』ということがわかったシーズンでもありました。今日も『ブロックのどこが空いている、レシーブのどこが空いている』とたくさん声をかけてもらって、スパイクを決めることができた。周りを頼っていいんだなって思いました」
17日のファイナル1戦目は、助っ人外国人選手のニコロバ・エミリヤが84打数と偏った組み立てになったNECだったが、山田晃豊監督が「少し単調な攻撃になりすぎて、ウチらしくなかった。明日は配分を考えます」と言ったとおり、2戦目はニコロバ59打数、古賀48打数、近江あかり35打数、両ミドルが20打数超えと、司令塔の山口かなめはトスを散らし、要所で古賀とニコロバで切っていくスタイルにした。
1戦目は久光のサーブが古賀狙いで、さらに古賀の攻撃に対するブロックとディグの対策も万全だったために、なかなか決定率が上がらず20%台だったが、2戦目では久光のサーブの狙い目が変わったこともあり、40%近くまで上げた。古賀のブロックは2戦とも3得点。2戦目は4セット目の途中で足をつってしまったが、「絶対下がりたくなかったです。この試合が終わったら倒れてしまってもかまわないと思いながら、コートに立っていました」と踏みとどまる。体重の乗った鋭いスパイクを要所で決めて、NECに流れを引き寄せた。
山田監督は古賀の今シーズンをこう評した。
「今シーズンは本人にとっては初戦途中でコートから外れ、チームも負けて悔しい思いをしました。最終的には勝てたけど、苦しいことも多かった。全日本の方でもオリンピックのメンバーから落選して、チームの夏場の厳しい練習に参加したことで、一歩一歩成長してきたんだと思います。
まだ2年目の選手ですけど、試合になればチームの中では守備の中心でもあり、攻撃の中心でもある。だから、サーブの的になるし、攻撃もマークされる。昨日も思うようにいかない展開でしたね。彼女を集中的にサーブで狙って、攻撃も徹底的に対応された。
昨日から今日がそうであったように、今シーズン全体を見ても、一歩乗り越えて成長していると思います」
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