木村沙織、笑顔で終えた現役最後の日。「絶対泣かないと決めていた」 (2ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 4日のトヨタ車体戦では、木村がチーム最多の22得点をあげる活躍で3-1と勝利。下北沢成徳高校の先輩でもある荒木絵里香(トヨタ車体)が、「やめてしまうのは本当にもったいない」とコメントするほどの気持ちの入ったプレーで、チームのファイナル3進出へ可能性を残した。

 そして運命を決める5日のファイナル6最終戦の相手は、レギュラーラウンド1位のNEC。3-0か3-1で勝たなければ敗退が決まる厳しい状況の中で始まった試合は、木村の攻守にわたる活躍もあり、東レが第1セットを先取する。2セット目はNECの古賀紗理那、近江あかりなどの攻撃に苦しめられ、終盤までリードを許すが、22-22と追いついて先にセットポイントを握った。しかし、そこから再び逆転され、26-28でセットを落としてしまう。

 3セット目も途中で逆転を許すと、勢いは戻らずNECに取られ、試合終了を待たずに東レのファイナル6敗退と、木村の最後の試合となることが決まった。木村は第4セットの途中で両足がつり、コートの外に運ばれてマッサージを受け続けたが、再びコートに戻る前に試合は終了。倒れて痛がる木村に、相手の古賀が駆け寄り、気遣う姿が印象的だった。

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