サオリン復調、紗理那は首位、宮下遥は屈辱の涙。Vリーグ6強出揃う (3ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  photo by Aflo Sports

「速いバレー」を支えるのは、サーブレシーブ賞を受賞したリオ五輪正リベロ・佐藤あり紗の正確なレセプション(サーブレシーブ)だ。「リオ五輪では悔しい思いをした」という佐藤がレセプション、ディグ(スパイクレシーブ)ともに拾いまくり、多彩な攻撃を仕掛けられれば、チーム初の優勝が見えてくる。
 
 一方でリオ五輪正セッターの宮下遥が所属する岡山は7位に沈み、入れ替え戦に回る。終盤、11連敗と記録的な連敗を喫し、なんとか最終日のPFU戦で止めたとき、宮下の目には光るものがあった。「ずっと勝てなくて苦しかったんですけど、最後の最後に勝てて、本当によかったです。必ず入れ替え戦も勝って、来年はプレミアリーグで優勝を目指します」と嗚咽で途切れながらもコメントした。

 ファイナル6は6チーム総当たりで、3位以上がファイナル3に進む権利を得る。レギュラーラウンドの順位によってポイントがあらかじめ加算されるため、上位通過したチームの方が有利な戦いとなる。順当に行けば、同ポイントで通過したNEC、久光、日立が有力だが、木村の最終試合を1日でも伸ばしたい東レの奮起にも期待したいところだ。

     男子は開幕以来、首位をキープしていたパナソニックが、最終日で3位転落という波乱。もっとも最初から綱渡り状態で、ポーランド代表主将の助っ人ミハウ・クビアク、全日本主将の清水邦弘、福澤達哉ら主力に故障が相次ぐ中で、チーム力を底上げすることで何とか維持してきた首位だった。最終週に連敗し、勝ち点を上積みできなかったのが悔やまれる。

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