Bリーグ発足に危機感?
バレーボール新リーグ構想に勝算はあるか (4ページ目)
この新リーグ構想は、当初「プロジェクトM」として出発した。Mは故・松平康隆名誉会長のイニシャルだ。ミュンヘン五輪で男子唯一のボールゲームでの金メダルを獲得した松平は、監督でありながらプロモーターの役割も果たしてバレーボールを人気競技へと押し上げたが、彼がなしえなかった夢が国内リーグのプロ化であった。
Jリーグ発足翌年の1994年、松平はモントリオール五輪女子バレーで金メダル監督となった山田重雄とともにプロ化構想をぶち上げたが、企業の賛同が得られず、結局2年後にプロ化の凍結を発表。現在のVリーグには女子の岡山シーガルズや男子の堺ブレイザーズといったプロチームと、実業団チームが混在している。選手の契約形態も男子はほとんどが社員で、プロ契約選手は少数だ。
かつて東レアローズに7年間在籍した助っ人外国人のデヤン・ボヨビッチは、「全日本の強化のためにベストなのはプロ化だが、今の日本のシステムは、選手のセカンドキャリアなどを考えた場合、素晴らしいものだと思う。プロリーグのよいところと現在のシステムをうまくミックスできたら」と提言していた。今回の改革がどのように実を結ぶか、今後も動向を注視していきたい。
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