目標は銀メダル?初の外国人全日本監督は日本の男子バレーをこう変える

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari
  • 坂本清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

記者会見に臨んだゲーリー・サトウ全日本男子チーム監督記者会見に臨んだゲーリー・サトウ全日本男子チーム監督 2013年5月21日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで、全日本男子バレーボールチームの始動記者会見が行なわれた。

 男女を通して日本バレー界初の外国人監督として全日本男子の指揮を執るゲーリー・サトウ氏は日系3世のアメリカ人。アメリカ男子ナショナルチームのコーチとして、ワールドカップ優勝(監督急病のため代理監督を務めた)、世界選手権優勝、ソウル五輪優勝などの経験がある。ただし代表監督そのものの経験はなく、また海外チームを率いるのもこれが初めてとなる。

 森田淳悟強化本部長によると、応募してきた候補の中で、サトウ氏は日本の選手の能力を高く買っていたという。また、長らく続いた「純血主義」から舵を切った理由について、「やはり、そういう流れが来ていたからだね」と評した。

 サトウ監督は、「日本にはボールコントロールが上手い選手が多いという印象を持っており、それを活かしたバレーボールを作ることが目標だ」と述べた。「スマートバレー」を掲げ、頭を使うバレー、簡単に失点しないバレーを目指しているという。身長の低さは細かいプレイで補う。そして「コンスタントにエラーが少ないチームにしたい」と語った。

 目標はリオデジャネイロ五輪でのメダル。コーチとして金と銅を獲得した経験があるので、「今度は銀がいいかもしれない」と冗談を飛ばした。

 主将にはサントリーの山村宏太が就いた。山村は、「ロンドン五輪に行くために4年間準備してきて、それが叶わなかったことで、もう代表を辞める、現役もワンシーズン後には辞める、と嫁さんには言ったんですが、一週間くらい後に『やっぱりやるわ』と」と笑う。挫折感も大きかったが、それよりも悔しさが勝り、周囲の「まだやれるよ」との声に後押しされた。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る