錦織圭に「白羽の矢」を立てた世界的名コーチ 12歳の細身の少年にアガシやシャラポワと同じ「王者の資質」を見た (4ページ目)
【しっかりとした英語で即答した】
続けて語る。
「ただ、指導者にとって重要なのは、potentialを見極めることです。この子は、成長のためにすべてを犠牲にできるのか? その意思があるのか? たとえば試合で負けた時、どのように行動するか? 敗戦と向き合い、分析し、次に備えることができるか?
ケイは、負けたら落ち込みますが、切り替えが早い。一方で成長できない選手は、2カ月後もまだひとつの敗戦について愚痴を言ったりします。
これらはすべて、目には見えないものです。いいプレーヤーになるためには無数の目に見えない要素があり、そのひとつでも欠けると、トップには到達できないのです。そしてケイには、それらチャンピオンの資質が備わっていました」
13歳でIMGアカデミーに来た当初、錦織はほとんど英語を話すことができなかった。
「ただ......」と、ハラミロ氏が自らの言葉を継ぐ。
「私が彼に、『何のためにここに来たのか? 夢は何か?』と聞いた時、彼はしっかりとした英語で即答したんです。
『Number one in the world』。
世界で一番になることだ──と」
(つづく)
◆ゲイブ・ハラミロの視点(2)>>
【profile】
ゲイブ・ハラミロ
コロンビア・カリ出身のテニスコーチ。ニック・ボロテリーの右腕として約30年間活動し、1985年から2009年までIMGボロテリー・テニスアカデミーのテニスディレクターを務めた。アンドレ・アガシ、ジム・クーリエ、ピート・サンプラス、モニカ・セレシュ、マリア・シャラポワ、錦織圭ら、数多くの世界トップ選手の育成に携わった。現在は米フロリダ州のRPS AcademiesでCEOを務め、選手育成や指導者教育に取り組んでいる。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」フォトギャラリー
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