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大坂なおみの現状に「危ういものを感じる」。海外ジャーナリストが「引退もあるかも」と語った理由とは? (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 もちろんスポーツジャーナリストとしては、彼女にテニスを続けてほしい。でも彼女は、アスリート以外にもいろんな側面を持っています。メンタルヘルスの提言をしたり、ファッションに興味もあるし、ほかの選手たちのプロモートもしている。自己表現や、いろいろな情報を発信するプラットフォームが、今の彼女にとっては必ずしもテニスコートである必要はない。だったら、休むのも手でしょう」

 今の大坂にとって、ビジネスを展開する手段がテニスである必要はない、というワレス氏の分析は興味深い。

 さほどコートに立たなくても、大坂の市場価値は維持されるのだろうか? その問いに、ワレス氏は「そうだと思います」と即答する。

「アメリカにおけるなおみのブランド力は、もう確立されています。彼女はアメリカと、日本を中心としたアジア全体にリーチできる。さらには父親がハイチ人なので、カリブ海や南米のマーケティングも期待されていると思います。それに彼女には、270万人のインスタグラムフォロワーがいます。これは企業からすれば大きな評価対象でしょう。

 それに、なおみがあまり試合に出ていないことも、一般の人たちはよく知らないと思います。私たちはテニスを取材しているので、ふだんのツアーの成績も気にしますが、一般の人たちが知っているのは、グランドスラムの戦績くらい。

 彼女がツアーで初戦負けしたことは知らなくても、すでに4つのグランドスラムで優勝していることは、多くの人が知っている。もちろん、スポンサー的には彼女がコートに立つことが望ましいでしょうが、そうでなくても十分にマーケティング効果は期待できると思います」

 ここで、複数の競技取材の豊富なワレス氏にも、マッカーベル氏に向けたものと同じ問いを投げかけてみる。

 ほかに、大坂と似たアスリートはいるだろうか?

「興味深い質問ですね。アスリート全般なら、シモーネ・バイルズが近いでしょう。テニス選手なら、ココ・ガウフがコート内外の発言力も含めて似ていますよね。

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