錦織圭、全仏最大のヤマ場。自ら語った世界6位ズベレフとの再戦の展望は? (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 かたや、今大会ここまで薄氷を踏む勝利を連ねてきた錦織は、「テニスって大変」「魂が抜けた」と、煩悶の言葉を口にしてきた。

「正直、この2試合はまったく楽しくなかったですね。体力的にもつらいし、全然いいプレーができなかったので、自分と戦うところが多かったです」

 本心を包み隠さず打ち明ける彼は、だからこそ来たる実力者との戦いに、「プレッシャーがない分、若干、自分のほうが思い切ってプレーできるなかと思います」と、もどかしさからの脱却を期待した。

 この2年半、トップ10からの勝利がない錦織は、「今一番必要なのは優勝だったり、トップ10に勝つことなどの大きな結果」だと明言する。

◆第5セットは錦織圭の「領域」だ。「自分すごいなと思います」>>

 31歳と24歳。世界49位と世界6位。グランドスラムの最高成績は、どちらも準優勝。

 キャリアの異なる地点ながら、いずれもこの試合をひとつのターニングポイントと目するふたりの足跡が、ローランギャロスの赤土の上で交錯する。

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