2020.01.10

大坂なおみ、新コーチの助言に
救われる。「そのとおりにできた」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 第2セットを奪い返し、第3セットに向かうセット間のことである。

 相手がトイレットブレークでコートを離れたその間、大坂なおみはコーチのウィム・フィセッテを呼び、通常より長めの「コーチング」を受けた。

オーストラリアのファンの大声援に応える大坂なおみ「どうした?」

 ベンチに駆け寄ったコーチは、まずはそう声をかけて、大坂から話を引き出す。

「なんか固くなってしまう」「ストレスを感じちゃう」

 第2セットを取ってもなお不安そうな大坂に、コーチは、穏やかな口調で話しかけた。

「でもこの2試合、リラックスしている時には『本物のなおみ』になっていたよ。すべては君次第だ。スコアを気にせず、ポイントごとにベストを尽くそう。そうすれば打ち合いを支配できる。ミスをしてもいい。ミスはテニスの一部なんだから」

 その言葉をひとしきり聞き終えると、今度は「サーブはどうすればいいと思う?」と尋ねる。その問いにも、コーチは即座に応答した。

「もっと球種を混ぜていくべきだ。とくにボディ(相手の身体の正面を狙うサーブ)を使ったほうがいい。同時にサーブの質、そのものを上げていこう。

 何度か時速120キロ台のセカンドサーブがあったが、あれは君らしくない。ただ、それほど気に病むことはないよ。もう少しバリエーションを増やしていけば大丈夫だ。まだ今季2試合目だよ。ポイントを重ねるごとに調子を上げていけばいいさ」

 これらの助言が、功を奏しただろうか。「試合中にコーチに言われたことは、いつも忘れちゃうの」と困ったように白状する大坂だが、この時のコーチの言葉は、ちゃんと覚えていたようだ。

「リターンで攻撃的にいくように言われた。そのとおりにできたと思う。あとはセカンドサーブで、球種を混ぜていくようにと」

 サーブからの主導権掌握、そして、リターンでのポイント獲得率の上昇——。

 それら、初戦の辛勝から持ち帰った「継続すべき点」と「改善できる点」のいずれにも、2回戦の大坂はひとつの解を示してみせた。