勝ち上がるコツを掴んだ錦織圭。
残した結果は同じも内実は大違いだ (3ページ目)
錦織の同世代でライバルと呼ばれてきたミロシュ・ラオニッチ(カナダ)とマリン・チリッチ(クロアチア)も、この1年でベスト8に進んだのは一度のみ。若手の旗手と謳われるステファノ・チチパス(ギリシャ)やアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)も、それぞれ一度しか準々決勝以上に勝ち進んでいない。
今年の全豪で敗れた時、錦織は「8を越えられないのはすごく悔いが残るし、やりきれない思いはあります」と言ったが、その後にこう続けた。
「ひたすら、がんばっていくしかない」
今大会でのベスト8は、そこに至るまでに「満身創痍」に陥った過去の悔いを原動力とし、新たなプレースタイルを求めた成果だ。その意味では、たとえ結果は同じでも、内実は過去のそれとは大きく異なる。
プレーのコツを掴み、「好きになってきた」芝は、この先に進むための手がかりをも、錦織に与えてくれたはずだ。
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