錦織なしでも大丈夫。日本のデ杯勝利は、エース杉田祐一が引っぱった (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


「間違いなく落としてはいけない一戦ですし、勝ちにこだわった一戦でした」という杉田は、ブラジル戦がデビスカップ初采配となった岩渕聡新監督からは「楽しんで思い切りやってくれ」と試合に送り出されていた。

 日本のエースとして、どう振る舞えばいいか考えた杉田は、試しにガッツを前面に出して練習したこともあったが、選手それぞれのやり方があると思い直し、自分は試合でいいプレーを見せることに徹しようと決めたのだった。

 さらに第2試合では、シングルス2の添田豪(139位)も杉田の勝利を受けて好プレーを披露し、チアゴ・モンテイロ(116位)を相手に、3-6、6-4、6-3、(1)6-7、6-4のスコアで3時間41分におよぶ激戦を制した。

 添田は、2015年3月のカナダ戦以来の代表復帰。これまで単複合計で37試合(日本歴代8位タイ)に出場し、シングルスでは23勝(歴代3位)を挙げた32歳のベテランだが、勝利の瞬間、両手でガッツポーズをつくりながら雄叫びをあげた。

「もしかしたらデ杯が(自分にとって)最後になるかもしれないと考えたし、これで終わってもいいぐらいの気持ちで試合に臨んだので、最後までファイトできた。僕が入ってアジア(・オセアニアゾーンI)に落ちたくないというのもあるし、WGに残りたいという気持ちをみんな持っている。プレッシャーにもなったが、うまくパワーにできたと思う」

 大会初日に2勝を挙げた日本がチームの勝利まであと1勝としたが、2日目のダブルス1試合と3日目のシングルス2試合は、台風18号の通過によって順延され、9月18日に残りの試合をすべて行なうことになった。

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