ツアー優勝の杉田祐一に聞く。「シード獲得へ、年末までが勝負です」 (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


――試合を終えて、フェデラーと握手した時の気持ちはどうでしたか。

杉田 終わったけど、もっと試合をやっていたい気分で......本当に貴重な経験でしたね。ほとんど一緒の大会で出たことがなく、いつか対戦したいという思いはありましたけど、まさに"ラッキーラッキールーザー"でした(笑)。

――ATPバルセロナ大会でもラッキールーザーになり、本戦出場。初のベスト8入りをしましたよね。

杉田 いい時というのは、やっぱりそういうのが巡ってきますよね。本戦で結果を出せたのも大きかった。

――グラスコートを得意としてますが、その理由はどこにありますか?

杉田 やっぱり動きの面ですね。動きやすいというか、不自由なく動ける。ほかの選手は転倒だったり、バランスを崩したり、ケガの多いコートではありますけど、そういったことが自分にはなく、他の選手よりは素早く動けているのかなと思います。(コツといっても)別に何も意識していないです。ナチュラルに動いています。

――7月のウインブルドン1回戦では、ブライダン・クレイン(232位、イギリス)を破りグランドスラム本戦初勝利。その瞬間は静かにガッツポーズ。杉田さんらしい派手なガッツポーズを期待していたんですけど。

杉田 初勝利よりも、その前週のアンタルヤの優勝があったので、優勝と1回戦突破、どっちがすごいかといったら、優勝の方がインパクトあるわけで......。まだまだ終われないという気持ちもありましたし、やっぱりあれだけ成績を残したら、もっと勝ち進むことを自分自身も期待していましたし、「ここからだぞ」という思いの方が強かったですね。

――プロ11年のキャリアを振り返って、杉田さんのテニス人生の中で、最大の危機を挙げるとしたら、いつですか?

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